歯科について

正しい歯周病治療をご存じですか?

歯周病とは?
=歯の病気ではなく、歯の周りの骨がとけていく病気

歯周病を引き起こす主な原因は歯垢(プラーク)の中の細菌と言われています。
細菌に長時間さらされることで、本人の免疫力が負けてしまうと炎症を引き起こし、歯の周りの組織(歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨)を壊してしまいます。

感染が重度になれば口の中が蓄膿した状態で生活することになります。
やがて心臓病をはじめとする内臓疾患につながるばかりでなく、それらに触れる機会のあるご家族にとっても衛生的なものではありません。
(ワンちゃんの口内にはヒトが本来触れることのない細菌がいっぱいです)

犬種によっては(M.ダックス、シュナウザー、イタリアングレーハウンド、トイ・プードルなど)歯周病の進行が重度になりやすい傾向があります。

また、歯槽骨や顎骨は吸収され小型のトイ種(トイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、ヨーキーなど)などでは顎の骨折を起こすこともあります。


治療より予防=悪化する前に早めの処置を

歯肉だけが侵された「歯肉炎」は治療により改善できますが、ほかの歯周組織(歯槽骨や歯根膜など)まで侵された「歯周炎」では、完全に回復させることはできません。

「まだ痛がらずに食べられているから大丈夫」ではなく、早めに歯科検診を受けましょう。



<参考画像:歯石除去前後の写真(処置前:左、処置後:右>
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治療法は?=正しい方法で行いましょう

  1. 口腔内消毒
  2. 口腔内検査(プロービング、口腔内X線など)と記録
  3. 歯石(歯肉縁上、歯肉縁下)除去(スケーリング)
  4. 抜歯(残存乳歯や動揺歯)
  5. 歯周ポケット掻爬(歯根面の滑沢化:ルートプレーニング、歯肉の掻爬)
  6. 研磨(ポリッシング2種の研磨剤使用)
  7. 洗浄(口腔内と歯肉溝や歯周ポケット)
  8. フッ素塗布
  9. 歯周ポケットへの薬剤の注入(貼薬)
  10. ホームケアの指導


<参考画像:歯科X線>
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全身麻酔って怖い?=もっと怖いものがないか?考えてみましょう

歯科治療は必ず全身麻酔が必要です。

私もかつては麻酔をかけずに歯石とりをした経験があります。
当時はよかれと思いしていたことですが、正しい知識が欠如していました。

無麻酔での歯科処置は危険を伴いますし、そもそも必要な処置(歯根部の評価、キュレッタージ、ルートプレーニング)ができません。
前述した蓄膿症から解放されることはありません。
もし美容目的で一時的に歯石を減らすことが目的ならば選択肢になるかもしれません。

しかし、治療という点においては効果がないばかりか歯面に傷をつけるだけの処置になってしまいます。(歯面の傷は歯垢歯石の沈着の原因です)
麻酔をかけてまで行う意味があるから麻酔をかけるのです。
麻酔前検査で全身の評価を行い、適切な麻酔法を選択します。

そこで見つかる異常があれば、健康診断として早期発見の意味は大いにあるでしょう。
みえていた異常(歯周病)とみえていなかった異常(今回見つかった異常)を総合的に判断し、どちらの治療を優先すべきか考えます。
院長 近藤隆太




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